過度な注目が集まることの弊害を誰よりも知っているのは、彼女自身かもしれない。中学時代のフィーバー以降、一時はプライバシーの侵害や過熱報道に悩まされ、大会欠場を余儀なくされた時期もあった。しかし、そうした苦い経験すらも、彼女をより強く、より賢いアスリートへと成長させる糧となった。
メディアとの距離感を自らコントロールし、発言一つひとつにプロとしての覚悟を込める。トラックを一歩離れれば笑顔を見せる普通の青年であるが、スパイクを履いた瞬間に鋭い勝負師の顔へと切り替わる。そのONとOFFの切り替えのうまさも、長期的なキャリアを支える重要な要素だ。