「自分の歯を1本でも多く残したい」という患者心理は極めて自然な感情です。しかし、無理な延命処置が周囲の骨を広範囲に破壊し、将来的なインプラント治療の難易度を引き上げてしまうケースも散見されます。合理的な判断を下すための客観的な適応基準を提示します。
【歯冠長延長術を選択すべき人】
- 残存している歯根の長さが十分(10ミリ以上)あり、骨を削っても強度が担保できる人
- 抜歯をどうしても避け、ブリッジのように隣の健全な歯を削りたくない人
- ガミースマイルを根本から改善し、歯肉ラインの左右対称性を整えたい人
- 定期的なメインテナンスと丁寧なプラークコントロールを継続できる人
【抜歯や別治療を慎重に検討すべき人】
- 歯根破折が骨の深部まで及んでおり、骨削除を行うと歯の支持力が著しく低下する人
- 重度の歯周病を併発しており、全体的に歯槽骨が吸収している人
- 治療期間(数ヶ月の治癒期間)を確保できず、短期間での噛み合わせ回復を最優先したい人