菅田将暉という才能が世に放たれた最初の瞬間、それは緑と紫の特撮ヒーロー番組だった。『仮面ライダーW』で演じたフィリップは、地球の記憶を脳内に宿す「魔少年」という難役だ。当時16歳という若さでありながら、彼はその浮遊感と知性を完璧に表現してみせた。
制服を着て学校に通いながら、早朝から特撮現場で揉まれる日々。演技経験がほぼゼロに近い状態から始まった撮影の中で、彼の吸収力は異常だった。共演した桐山漣と共にバディものを成立させ、過酷な1年間のロケを通じて演技の基礎を徹底的に叩き込んだ。当時の彼を知るスタッフは「カメラが回った瞬間に眼光が変わる独特の感性を持っていた」と振り返る。