日本市場において最も厳しく問われるのが防災性能だ。南海トラフ地震や首都直下型地震への懸念が高まる中、土の家は想定外の強靭さを実証してみせた。頑丈な土嚢(土袋)を積み重ね、倒壊を防ぐ有刺鉄線と鉄筋で一体化させるアースバッグ工法は、耐震実験において震度7相当の激震を何度も無傷でクリアしている。
さらに、津波や川の氾濫に対しても、水を吸収して泥化しないよう処理された現代の土壁は優れた防水能力を発揮する。燃える部材が一切存在しないため、都市火災に対する防火性能も最高等級を誇る。「崩れやすい泥の家」という先入観は、先進の構造工学によって完全に過去の遺物と化しているのだ。