膵臓癌は「見つかったときには手術不能」と言われた時代から、ゲノム医療やバイオマーカー開発によって早期捕捉を目指す転換期を迎えている。
国立がん研究センターの理事長を務める間野博行氏らの主導のもと、がんクリニカルシークエンスやリキッドバイオプシー(血液や体液による遺伝子解析)を用いた超早期診断の研究が急速に進展してきた。ヘルスケア・オンコロジー産業界でも、AIを活用した腹部超音波やCT画像の微細病変検出支援システムが相次いで実用化されつつある。
早期であるステージ0やIの段階で発見・切除できれば、5年生存率は飛躍的に向上する。背中の違和感という微かな糸口をきっかけに、いかに早く高精度な検査へアクセスできるかが、治療の選択肢を広げる鍵を握っている。