キャサリン・ゼタ=ジョーンズのキャリアは、幼少期のウェールズで培われたストイックな舞台経験から幕を開けました。わずか11歳でミュージカル『アニー』の舞台に立ち、その後ロンドンのウエストエンドでコーラスガールとして鍛錬を重ねます。
1990年にフランス映画『シェヘラザード/新・千夜一夜物語』でスクリーンデビューを飾ると、その異次元の美しさが業界関係者の間で瞬く間に評判となりました。彼女の運命を決定づけたのは、名匠スティーヴン・スピルバーグの目に留まり抜擢された1998年のアクション大作『マスク・オブ・ゾロ』です。アントニオ・バンデラスを相手に見せた鮮烈なフェンシングシーンと情熱的なフラメンコは、世界中の観客に「ハリウッドに比類なきミューズが降臨した」と確信させました。
その後、2000年の群像サスペンス『トラフィック』で高い演技力を証明すると、2002年の大ヒットミュージカル映画『シカゴ』でヴェルマ・ケリー役を熱演。代役なしで披露した圧倒的な歌唱力と激しいジャズダンスは批評家を唸らせ、見事に第75回アカデミー賞助演女優賞を受賞しました。当時、妊娠9カ月という臨月でありながらアカデミー賞授賞式のステージで圧巻のパフォーマンスを披露したエピソードは、今なおハリウッド史に残る伝説として語り継がれています。