移動における「認知的負荷(コグニティブ・ロード)」の視点
交通心理学や移動行動論の知見において、乗客が感じる疲労は単純な「移動時間の長さ」だけに比例するわけではありません。「一度座席に落ち着いた後、途中で荷物をまとめて立ち上がり、見知らぬ空間を歩いて再び別の座席を探す」という一連の乗り換え行為は、人間の脳に小さくない認知的負荷(コグニティブ・ロード)を与えます。
旧直通サンダーバードが愛されたのは、2時間30分のあいだ「何もしなくてよい自由」が担保されていたからです。敦賀乗り換えによって22分が短縮されたとしても、その途中に「乗り換えというタスク」が差し挟まれることで、体感的な疲労度や心理的ストレスが実時間以上に増幅される構造がここにあります。
失敗しないための選択基準
こうした構造と現在の価格体系を踏まえ、利用者が取るべき判断基準は明確です。
- 【新幹線つるぎ+サンダーバードを選ぶべき人】:
- 出張など、現地での滞在時間や定時性を1分単位で優先したいビジネス層。
- 移動中もノートPCを開いて業務を行いたい人(つるぎの全席電源や安定したWi-Fiは極めて有用)。
- 「e5489」の早特割引を事前に押さえることができる計画的な旅行者。
- 【高速バスや別ルートを検討すべき人】:
- 小さな子供連れやベビーカー利用者、足腰に不安のあるシニア層(敦賀駅の上下移動負荷を回避できる)。
- 荷物が非常に多く、駅構内での移動やエレベーター待ちをストレスに感じる人。
- 移動時間を睡眠に充てたい人、または移動コストを半額以下に抑えたい学生・バックパッカー。