マウンドの槙原寛己投手は当時21歳、球界屈指の剛速球を誇る若き右腕でした。しかし、バース選手への痛恨の失投となったフォークボールが、その後の投球リズムを大きく狂わせることになります。
動揺を隠せない槙原投手に対し、4番・掛布選手はストレート勝負を予測。初球ファウルの後のカウント1-1から、インハイ寄りの直球をコンパクトに振り抜きました。打球は美しい弧を描いて再びバックスクリーン右へ飛び込みます。
さらに続く岡田選手は、カウント1-0からの外角ストレートをフルスイング。右中間フェンスを越えてバックスクリーン左側へと突き刺さる5点目のアーチとなりました。若きエースの球威を、猛虎の主軸が見事な読みと技術で完膚なきまでに打ち崩した瞬間でした。