『ドラゴン・タトゥーの女』ユニバースは、映画の製作国が分かれ、さらに原作小説も著者交代を挟んでいるため、初めて触れる読者が混乱しやすい構造になっています。作品世界を最も深く、ストレスなく堪能するための順番を整理しました。
映画版の見る順番:2つのアプローチ
【アプローチA:映像美とスタイリッシュさを重視する最短ルート】
- 『ドラゴン・タトゥーの女』(2011年 / ハリウッド版・フィンチャー監督)
- 『蜘蛛の巣を払う女』(2018年 / ハリウッド版・フェデ・アルバレス監督)
まず映画としての完成度が極めて高いフィンチャー版を鑑賞し、その後キャストは交代するものの、リスベットのアクション映画としての側面を強化した『蜘蛛の巣を払う女』へと進むコースです。洗練されたサスペンス体験を求める方に適しています。
【アプローチB:スティーグ・ラーソンの原典ストーリーを完結まで見届けるルート】
- 『ドラゴン・タトゥーの女』(2009年 / スウェーデン版)
- 『ミレニアム2 火と戯れる女』(2009年 / スウェーデン版)
- 『ミレニアム3 眠れる森の美女』(2009年 / スウェーデン版)
リスベットの生い立ちの謎、父親や巨大な国家組織との対決まで、原作者ラーソンが残した本筋を映像で余すところなく味わいたい場合は、スウェーデン版の3部作を順番に観るのが唯一無二の正解となります。
原作小説『ミレニアム』シリーズの全体像
スティーグ・ラーソンが急逝する前に書き上げた第1部〜第3部までが「オリジナル3部作」と呼ばれます。その後、遺族の承認のもとダヴィド・ラーゲルクランツが執筆を引き継いだ第4部〜第6部、そしてカリン・スミルノフによる新シリーズへと続いています。小説を追う場合は、刊行順どおり第1部『ドラゴン・タトゥーの女』から手に取ることで、緻密な調査報道の醍醐味を骨の髄まで味わえます。