物語のクライマックスにおいて、修平は小泉の過去と過去の被害者たちの存在を暴き、直接対決を試みます。しかし、すでに園田家の家庭崩壊は修復不可能なレベルまで進行していました。
小泉によって精神的に追い詰められ、完全に善悪の判断能力を失っていた母・和美は、小泉の教唆によって祖父への延命措置を巡る決定的な一線を越えてしまいます。家族を守ろうと足掻いた修平でしたが、警察が介入した段階では、すでに家族の絆は完全に粉砕され、それぞれが自らの犯した罪と狂気の代償を背負うことになりました。
そして最も読者を戦慄させたのが、黒幕である小泉の結末です。園田家を完全に崩壊させ、修平たちの人生を破滅させた小泉は、まるで何事もなかったかのように現場から姿を消し、法の網の目をすり抜けて次の街へと旅立っていきます。悪人が裁かれず、日常の闇へと溶けていく救いのない幕切れは、読者に強烈なトラウマと余韻を残しました。