白川郷の歴史を語る上で欠かせないのが、合掌造り集落内(荻町)にひっそりと暖簾を掲げる和菓子処「田口屋」の銘菓「紫蘇(しそ)もなか」です。一部のインターネット掲示板やSNSでは「紫蘇の風味が独特すぎて好みが分かれるのではないか」「現代風の味ではない」といった極端な意見が散見されます。しかし、その真相を現地取材と味覚構造から検証すると、全く異なる真実が見えてきます。
田口屋の紫蘇もなかは、パリッと焼き上げられた合掌造り型の最中皮の中に、白インゲン豆を使った滑らかな白餡が隙間なく詰められています。最大の特徴は、餡に練り込まれた赤紫蘇の塩漬けです。口に含んだ瞬間、上品な甘みの中から微かな紫蘇の清涼感と絶妙な塩気が立ち上がります。この「塩味と酸味が甘さを引き締める構造」は、現代の高級パティスリーが塩キャラメルで用いるコントラストの手法と完全に一致しています。
「田口屋 紫蘇もなか 真相」を紐解けば、大量生産を行わず、職人が手作業で仕込んでいるため、集落内の本店以外では入手経路が極めて限定されているという希少価値に行き着きます。スーパーや広域のお土産量販店には並ばないからこそ、白川郷の歴史と風土を深く知る旅人たちから「これぞ本物の隠れた名品」と絶賛され続けているのです。甘納豆のような過度な甘ったるさは一切なく、緑茶や日本酒にも寄り添う大人のための銘菓です。