青森市新町の路地裏に位置し、暖簾をくぐれば食欲をそそるスパイスと動物系スープの香りが立ち込めていた「味の札幌 浅利」。食べログでは評価3.56、口コミ数360件超、保存数10,000人以上(閉店時データ)を記録し、青森駅周辺のラーメンランキングでも常に最上位を争う実力店でした。
店舗が突如として休業に入り、そのまま正式に閉店となった経緯について、地元関係者や商店街組合の証言を総合すると、決定打となったのは店主である浅利忠行氏の健康面と長年の肉体労働による疲労の蓄積でした。平成3年(1991年)の創業以来、浅利氏は早朝からの仕込みから寸胴の管理、一杯ごとの調理、接客に至るまで、妥協なき職人技をほぼワンオペレーションに近い形で貫いてきました。
客足が途絶えたことによる経営難ではなく、連日行列が絶えない繁盛店であったからこそ、毎日の仕込みにかかる負荷は甚大でした。70代を迎えた店主の身体的限界、加えて厨房の過酷な熱環境の中で「これまで通りの納得のいく味を提供し続けることが困難になった」という職人としての引き際が、静かな幕引きを選択した最大の真相です。