帰国子女という響きは華やかに映りますが、当時の現実は幼い少年にとって過酷な試練でもありました。自著『ラリルレ論』や過去のドキュメンタリー番組において、洋次郎は渡米直後の苦難を率直に告白しています。
英語が全く話せない状態で現地校に放り込まれ、人種や言葉の壁に直面した日々。アジア人としての疎外感を味わい、「言葉が通じない悔しさから、泣きながら家に帰ったこともあった」と振り返っています。彼が自己を守り、意思を伝えるための手段として機能したのが、音楽やユーモアといった非言語の表現でした。
10歳で日本に帰国した後も、今度は「アメリカ帰りの浮いた存在」として日本の学校特有の同調圧力に直面します。この二重の文化摩擦とアイデンティティの揺らぎこそが、RADWIMPSの楽曲に色濃く反映されている「孤独と他者との繋がりを希求する切実な歌詞」の源泉となりました。