映画中盤屈指の名場面といえば、地球屋の地下工房で繰り広げられる演奏シーンです。天沢聖司のバイオリン演奏に合わせて雫がおずおずと歌い始め、やがて西司朗のビオラ・ダ・ガンバや仲間たちの古楽器が加わっていく一連の流れは、日本アニメ史に残る名シークエンスと言えます。
この耳をすませばの挿入歌バイオリン演奏のシーンでは、弓の動かし方から指のポジション、呼吸のタイミングに至るまで徹底的なロケハンと実演取材が行われました。まだ互いにぎこちない二人が音楽を通じて魂を通わせ合う瞬間を、アニメーション表現の極限とも言えるリアリティで描き切っています。