階級値や度数の数値が大きくなると、筆算の手間が増えて計算ミスが多発します。高校数学や難関中学入試、あるいは電卓を使えない試験環境において絶大な威力を発揮するのが仮平均(かりへいきょう)を用いた解法テクニックです。
仮平均法とは、「おそらくこのあたりが平均だろう」と見当をつけた適当な数値を基準(仮平均)に設定し、各階級値との「差(偏差)」だけを計算して最後に基準値に足し戻す手法です。
仮平均を用いた計算の具体例
先ほどの20名のテストデータを例に、度数が最も多い「20以上〜30未満(階級値 25)」を仮平均($A = 25$)として設定してみましょう。
- 各階級値から仮平均(25)を引いた「差」を出す
- 階級値 5:$5 - 25 = -20$
- 階級値 15:$15 - 25 = -10$
- 階級値 25:$25 - 25 = 0$
- 階級値 35:$35 - 25 = +10$
- 階級値 45:$45 - 25 = +20$
- 「差×度数」を計算する
- $(-20) \times 2 = -40$
- $(-10) \times 5 = -50$
- $0 \times 8 = 0$
- $(+10) \times 3 = +30$
- $(+20) \times 2 = +40$
- 差の合計を求める
$-40 + (-50) + 0 + 30 + 40 = -20$ - 差の平均を算出し、仮平均に足す
差の平均:$-20 \div 20 = -1.0$
真の平均値:$\text{仮平均}(25) + \text{差の平均}(-1.0) = \mathbf{24.0}$ 点
基準となる階級値を「0」にできるため、大きな桁数の掛け算が一切不要になります。マイナスとプラスが打ち消し合うことで加算処理も劇的に簡素化され、計算ミスを物理的に防ぐことが可能です。