百恵さんのキルト作家としての才能を開花させたのは、日本屈指のキルト作家・鷲沢玲子(わしざわれいこ)氏との出会いです。百恵さんは東京都国立市にある鷲沢氏主宰のキルトスタジオ兼教室「キルトおぶはーと」の門を叩き、本格的に基礎から技術を学び始めました。
教室での百恵さんは、元大スターという特別扱いを一切求めず、ほかの生徒と同じように地道に課題へ取り組みました。鷲沢氏の指導のもと、トラディショナルなアメリカンキルトから繊細なトラプント(立体的なキルティング技法)、ヨーロピアンテイストの配色までを着実に習得していきます。
国立市の教室に長年通い続け、仲間とともに針を動かす中で、百恵さんの技術は趣味の領域を遥かに超えていきました。布の選定から裁断、ピースワーク、そして気の遠くなるような密度のキルティングまで、妥協を許さない職人的な姿勢がその手元に宿っていったのです。