的確なケアを行うためには、長腓骨筋がどこから始まり、どこへ繋がっているのかという解剖学的構造を把握することが欠かせません。
まず長腓骨筋の起始停止を整理すると、起始は「腓骨頭および腓骨外側面の近位2/3」に位置します。そこから筋肉はすねの外側を下行し、外くるぶしの後方にある腱溝を通り、踵骨と立方骨の外側を経て足底へと回り込みます。そして足の裏を斜めに横断し、最終的に「第1中足骨底および内側楔状骨の足底面(母趾球の付け根付近)」に停止します。
この独特な走行ルートこそが、長腓骨筋の作用と役割を決定づけています。主な運動作用は以下の通りです。
- 足関節の底屈:つま先を下方へ押し出す動き。
- 足関節の外反:足の裏を外側へ向ける動き(内反捻挫を防ぐブレーキ機能)。
- 足部アーチの保持:足底を横断して親指側を引き下げることで、外側縦アーチおよび横アーチを強固に支える。
なお、長腓骨筋の支配神経は浅腓骨神経(せんひこつしんけい・L5〜S1)です。腰椎ヘルニアやすねの外側の圧迫によってこの神経が絞扼されると、長腓骨筋の出力低下や足背部の痺れが引き起こされるケースもあります。