しかし、五老星の底知れぬ恐怖はここからでした。瓦礫の中から姿を現したサターン聖は、失ったはずの右半身と折れた角を異様な黒い煙と共に瞬時に修復。悪魔の実の覚醒すら超越した不気味な再生能力を露わにします。そして激昂したサターン聖が直ちに下した決断こそが、バスターコール発令の理由となりました。古代兵器の動力源となり得る「マザーフレイム」の融合炉やベガパンクの頭脳(パンクレコーズ)すら犠牲にし、島そのものを歴史から完全に消去する焦土作戦です。
この極限状態において、エッグヘッド編最新話考察の中心に位置するのが「黄猿の動向と裏切り疑惑」です。海軍本部大将ボルサリーノは、かつてベガパンクの研究室でくまや戦桃丸、幼いボニーと共に笑顔で「ニカのダンス」を踊り、スープを酌み交わした旧知の仲でした。
サターン聖の絶対命令に従いサンジやフランキーを退ける冷徹さを見せながらも、倒れ込むくまや泣き叫ぶボニーを見つめるその眼光には明らかな陰影が刻まれています。報道関係者や考察層の間では、彼がサターン聖の目を盗んでルフィに密かに食糧を与えた「謎の協力者」ではないかという推測が絶えません。己の「どっちつかずの正義」と人間としての情愛の狭間で引き裂かれる黄猿の微細な感情描写こそ、尾田栄一郎氏が本作で仕掛けた重厚な心理ドラマの真骨頂です。