インターネットの暗部で使われる「黒ムツ」という語のルーツは、日本のインターネット史において最も激しい論争と社会問題を巻き起こしてきた「5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)」の「生き物苦手板」にあります。検索エンジンで「黒ムツ意味」や「黒ムツ元ネタ由来」と調べるユーザーの多くが直面するのは、この掲示板に巣食う独特のカルチャーです。
生き物苦手板は、もともと「害虫や野良動物の被害に悩む人々が対策を語り合う場」という建前で開設されました。しかし、匿名性の影に隠れて徐々に逸脱者が集まり、野良猫や野良犬などの小動物に対する残虐な殺傷行為を自慢・報告する温床へと変貌していきました。その中で、動物虐待を肯定し、凄惨な行為を愛好する悪質なユーザー層を指して生まれた隠語が「黒ムツ」です。
語源の成り立ちには明確な背景が存在します。掲示板の名称である「生き物苦手板(いきものにがていた)」から「苦手」という言葉が抽出され、語呂合わせや隠蔽工作の過程で「ムツ」へと変化しました。さらに、その中でも特に悪質で残虐な意図を持つ集団を「腹黒い」「闇の性質を持つ」という意味合いから「黒い生き物苦手」と呼び、それを極限まで短縮した結果が「黒ムツ」というネットスラングの正体です。警察のサイバーパトロールやプラットフォームによる投稿監視、NGワード規制を逃れるための「ジャーゴン(符丁)」として定着した経緯があります。