下処理の第一歩は、鍋にかける前の「物理的な洗浄」にあります。もつの状態(生もつかボイルもつか)によって汚れの性質が異なるため、それぞれに最適な資材を選び分ける必要があります。
精肉専門店などで手に入る未加熱の豚生もつを扱う場合、豚生もつの下処理における塩揉みが絶大な効果を発揮します。ボウルに生もつを入れ、全体重量の約3〜5%にあたる粗塩を振りかけて、手のひらを使ってしっかりと揉み込みます。塩の浸透圧によって内部の余分な水分とドリップ、ぬめりが一気に外へ引き出されます。2〜3分揉み続けると濁った水分が大量に出てくるため、これを流水で徹底的に洗い流します。この段階でドリップを出し切っておくことが、後の煮込み料理における濁り防止に直結します。
一方、スーパーで主流となっている加熱済みの白もつに対しては、豚白もつの下処理に小麦粉を活用する裏ワザが極めて合理的です。ボウルに入れたもつに対し、大さじ2〜3杯の小麦粉(薄力粉で十分です)を粉のまま振りかけ、もつ全体を包み込むように揉みほぐします。小麦粉の超微粒子とデンプン構造には、油脂や微小な汚れを物理的に吸着する強い性質があります。水洗いだけでは落ちにくいヒダの奥にこびりついた古くなった脂を、小麦粉が絡め取ってくれるのです。全体がねっとりとしたペースト状になったところでぬるま湯で洗い流せば、ヌメリと不快な油膜が一掃され、驚くほどスッキリとした手触りに変化します。