自家製を試みる多くの人が一度は立ち止まるのが、「びわには青酸系の毒があるのではないか」という不安です。インターネット上で飛び交う噂の裏には、どのような真実があるのでしょうか。ここを曖昧にせず、科学的・法的なファクトを冷静に切り分ける必要があります。
発端となっているのは、農林水産省や消費者庁が2017年以降継続して発表している「ビワの種子を利用した粉末食品等に含まれるシアン化合物に関する注意喚起」です。ビワの種子(仁)には、天然のシアン配糖体であるアミグダリンが高濃度で含まれています。これらを「抗がん作用がある」「万病に効くスーパーフード」と称して種子を丸ごと粉末にしたサプリメント等を日常的に大量摂取した結果、体内で分解されて生じる青酸(シアン化水素)によって急性中毒を引き起こす健康リスクが公的に指摘されたのです。
しかし、ここで決定的に区別しなければならないのは、「種子を丸ごと粉砕して食べる行為」と「伝統的な製法で成葉を煎じて飲むびわ茶」は生化学的にまったく別物であるという点です。
成木から採取した成熟したびわの葉にも微量のアミグダリンが含まれることは事実ですが、その濃度は種子に比べて極めて微小です。さらに、びわ茶の製造プロセスで行われる「天日乾燥」「加熱焙煎」、そして熱湯による「煮出し」の各工程において、アミグダリンは熱や酵素の作用によって分解・揮発します。通常の飲用範囲で浸出したお茶に含まれるシアン化合物の濃度は、人体が日常的に代謝できる安全域を大幅に下回っており、急性中毒を引き起こすようなレベルには到底達しません。
したがって、びわ茶アミグダリン毒性真相に対する結論は明確です。「種子の粉末摂取には公的機関が厳重に警告を発しているが、葉を適切に乾燥・焙煎して煎じる自家製びわ茶を日常的な適量で飲む限り、中毒の心配は実質的に皆無である」ということです。ただし、どんな健康茶であっても一度に数リットルをガブ飲みするような過剰摂取は胃腸への負担となるため、常識的な水分補給の範囲を守ることが大切なびわ茶副作用注意点と言えます。