滞在価値を大きく左右する「食」の領域においても、山のホテルは盤石の布陣を敷いています。なかでも芦ノ湖の湖上に張り出すように建てられた別館のデザートレストラン「サロン・ド・テ・ロザージュ」は、全国のカフェ愛好家からも聖地として知られています。
名物は、注文を受けてから焼き上げる「伝統のあつあつりんごパイ」です。専任のスタッフが客席の目の前で、ドレッシングスプーンを用いて3色のソース(アングレーズ、ストロベリー、抹茶)で美しい模様を描くプレゼンテーションは、長年培われたホスピタリティの象徴です。また、日本紅茶協会から「おいしい紅茶の店」として認定されており、季節のフルーツを取り入れたアフタヌーンティーは週末を中心に争奪戦となります。アフタヌーンティーの事前予約は公式予約サイトを通じて早期に枠が埋まるため、宿泊予約と同時に確保するのが鉄則です。
一方、夜のダイニングはフランス料理「ヴェル・ボワ」と日本料理「つつじの茶屋」の2系統から選択できます。フランス料理のディナーメニューでは、富士山麓の湧水で育った野菜や相模湾の鮮魚を主役に据え、クラシカルなフレンチの技法を守りながらもバターを重層的に使いすぎない現代的な軽やかさを実現しています。一部の口コミで「都心のイノベーティブ・フュージョンに比べるとサプライズが控えめ」という声も見られますが、奇をてらわず、正統派の美味しさを丁寧に積み上げたコース構成は、シニア層や家族旅行において極めて高い信頼を獲得しています。