ディナーショーの核となるのが、選び抜かれた楽曲で構成されるセットリストです。玉置浩二ディナーショーセトリは、単なるヒット曲の羅列ではなく、人間の孤独、愛、郷愁を包み込むようなドラマツルギー(構成美)を持っています。
安全地帯の名曲である「ワインレッドの心」「恋の予感」「悲しみにさよなら」といった昭和・平成を彩った黄金ナンバーはもちろんのこと、ソロとしての代表作である「メロディー」「田園」、そして珠玉のバラード「行かないで」が披露されると、会場のあちこちからすすり泣く声が漏れ聞こえます。
オーケストラと共演するシンフォニック公演では壮大なアレンジが魅力ですが、ディナーショーではピアノ、アコースティックギター、チェロなどを主体とした小編成のアコースティックアンサンブルが基本となります。これにより、玉置浩二のウィスパーボイスから魂を絞り出すようなシャウト、微小なブレスのニュアンスまでがクリアに鼓膜へ届きます。原曲のメロディーを自在にフェイクさせながら、その日の客席の空気を感じ取って歌い方を変えていく即興性は、ジャズシンガーのような凄みを帯びており、これこそが「何度足を運んでも二度と同じステージはない」とファンを熱狂させる本質です。