家計や外食時において最も気になるのが「結局のところ、筋子といくらはどちらが高いのか」という経済的な疑問です。結論から言えば、同じ重量(100gあたり)の加工完成品で比較した場合、いくらの方が高値で取引されるのが市場の通例です。
東京都中央卸売市場(豊洲市場)の取引データや大手水産専門商社の流通価格を参照すると、近年の秋鮭不漁も相まって魚卵全体の相場は高止まり傾向にあります。完成品の加工いくら(醤油漬け等)は100gあたり1,400円〜2,000円前後で推移する一方、一般的な加工筋子(塩漬け等)は100gあたり900円〜1,400円前後と、約3割から5割近い価格差が見られます。
この価格差が生じる最大の要因は、製造工程における「歩留まり(ぶどまり)の低さ」と「人件費・選別コスト」にあります。生筋子を仕入れていくらに加工する際、外側の卵巣膜や筋、血管、未熟で破れた粒を除去・洗浄する工程で、元の重量からおよそ15%〜20%が目減りします。さらに、粒を潰さずに異物を除去するための専用機械設備、または熟練工の手作業による洗浄・検品コストが上乗せされるため、最終製品としてのいくらは筋子よりも高価になります。