桃シーズンの和歌山県内直売所は、まさに「戦場」と呼ぶにふさわしい熱気に包まれます。特に日本最大級の売上規模を誇るJA紀の里の直売所「めっけもん広場」や、ブランド桃の本拠地である紀の川市桃山町の「あら川の桃振興センター」は、全国的な知名度も相まって激しい争奪戦が繰り広げられます。
現地取材および利用者の実体験データによると、最盛期の7月に「めっけもん広場」で訳ありのお得な箱入り桃を確実に手に入れるためには、午前7時30分〜8時00分頃の現地到着がひとつの目安となっています。店舗の正式オープンは午前9時ですが、ピーク時には開店前に数百人規模の長蛇の列が形成されます。混雑緩和のため、入場整理券や桃購入専用レーンの整理券が前倒しで配布されるケースが多く、9時を過ぎてから到着した場合、すでに当日分の格安箱が完売していることも珍しくありません。
一方、桃山町の直売街道(県道128号線・13号線沿い)に軒を連ねる「あら川の桃」の各直売所でも、評判の老舗農園直売所には開店前から県外ナンバーの車が殺到します。取材に応じた桃山町の地元農家関係者は次のように実情を打ち明けます。
「毎年7月の白鳳の時期は、農作業を終えて朝7時に直売所を開けようとすると、すでに大阪や奈良、兵庫からのお客さんが待っておられます。近年はSNSでの拡散もあり、手に入らないというお客様が本当に増えてしまいました。午前10時には当日朝に収穫したご家庭用桃がすべて完売してしまう日も日常的です」
このように、有名直売所の混雑は年々激化の一途をたどっており、「ふらりと昼過ぎに立ち寄れば買えるだろう」という安易な計画は通用しないのが2026年現在の現実です。