河西秀哉氏の専門分野は日本近現代史であり、その中でも中核をなす研究テーマが象徴天皇制の歴史的展開です。明治維新以降の近代天皇制から、戦後の日本国憲法下で成立した「象徴天皇制」への移行プロセス、そして昭和・平成・令和へと受け継がれてきた皇室の変容を、膨大な一次資料と緻密な文献調査をもとに解き明かしてきました。
河西氏の研究が画期的なのは、単に皇室内部の制度や儀礼を追うだけでなく、「皇室とメディア」「皇室と大衆文化・世論」の相互関係に深く切り込んでいる点です。昭和30年代の「ミッチー・ブーム」をはじめ、メディア報道が国民の皇室観にどのような影響を与え、また皇室側が国民統合の象徴としてどのように自己を再定義してきたのかを鮮やかに論証しています。
こうした確固たる学問的蓄積があるからこそ、日々のニュース解説においても表面的なゴシップや一過性の感情論に惑わされず、大局的な歴史の文脈に位置づけた鋭い分析を展開できるのです。