今作の最大の牽引力となっているのが、主演の王星越(ワン・シンユエ)が見せる屈折した感情の表現だ。冷徹な策士としての表情と、時折見せる葛藤の狭間で揺れる演技は一見の価値がある。彼の立ち振る舞いひとつで、画面全体の緊張感が一段と跳ね上がる。
一方、対立しながらも惹かれ合う難役に挑む張淼怡(ジャン・ミャオイー)の存在感も負けてはいない。彼女の持つ透明感と、劇中で見せる強い意志のギャップが作品に重厚な深みを与えている。2人が交わす短いセリフのやり取りの中にさえ、言葉以上の感情が濃密に凝縮されているのだ。