大洋図書のボーイズラブコミック誌『ihr HertZ』で連載されたハル氏による原作漫画は、上下巻にわたって人間の脆さと情愛の深淵を赤裸々に描いた傑作として知られています。実写ドラマ化にあたっては、原作の持つエモーショナルな精神性を引き継ぎつつ、映像表現ならではのアレンジが施されました。
最も際立つ違いは、心理描写の見せ方と空気感の演出です。原作では性被害の描写や内面のドロドロとした葛藤がより過激かつリアルに描かれており、心理的サスペンスの要素が色濃く漂います。一方のドラマ版は、MBSの「ドラマシャワー」枠らしい透明感あふれるライティングと叙情的なカメラワークを駆使し、切なさと美しさを前面に押し出した映像美が追求されました。
また、全8話という尺の中でテンポ良く物語を収めるため、オフィスでの人間関係や八神とのエピソードがドラマ向けに整理され、和真と蓮の感情の機微によりフォーカスした構成となっています。原作ファンからも「キャラクターへのリスペクトが感じられる見事な実写化」と高い評価を得ました。