仏像内に本物のミイラ?加漆肉身像の正体とCtスキャンが暴く真実

仏像内に本物のミイラ?加漆肉身像の正体とCtスキャンが暴く真実

仏像内に本物のミイラ?加漆肉身像の正体とCtスキャンが暴く真実とはどんな影響があるのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。

日本でも出羽三山(山形県)などを中心に「即身仏(そくしんぶつ)」の存在が知られていますが、中国の加漆肉身仏とは宗教的プロセスにおいて明確な違いが存在します。

日本の即身仏は、僧侶本人が生きているうちに自らの意思で極限の肉体改造を行います。「木食行(もくじきぎょう)」と呼ばれる過酷な断食修行によって穀物を断ち、木の実や樹皮のみを摂取して体脂肪と水分を極限まで削ぎ落とします。さらに死の直前には防腐効果のある漆の茶を飲み、生きたまま土中の石室に入って読経しながら絶命を待つという、「自力による即身成仏」のプロセスを重視します。

対照的に中国の加漆肉身仏は、僧侶自身の生前の修行はもちろん前提としつつも、入滅後に「弟子や地域共同体が高度な技術を用いて仏像へと昇華させる」という他力・共同体主導の側面が強く表れます。遺体を甕で乾燥させ、内臓を処置し、外側に美術品と同等の漆工芸を施す点において、日本の即身仏が生身のミイラそのものを拝むのに対し、中国の加漆肉身像は「ミイラを核とした仏像彫刻」という工芸的・彫刻的側面を併せ持っているのが特徴です。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。