貴乃花の相撲人生を語る上で、最大のライバルである第64代横綱・曙太郎の存在を外すことはできません。1988年春場所、のちに「花のサンパチ組(昭和63年組)」と呼ばれる同期として入門した二人は、新弟子時代から常にお互いを意識し合ってきました。
2メートルを超える巨体と破壊的な突き押しを誇る曙に対し、貴乃花は教科書通りの均整の取れた四つ相撲で対抗。対戦成績は通算21勝21敗(優勝決定戦を含めると貴乃花の25勝25敗)と完全に五分であり、両者が土俵に上がるだけで国技館が揺れるほどの緊張感に包まれました。
先に横綱へ昇進した曙の背中を追い、貴乃花が横綱となったことで大相撲は「曙貴(あけタカ)時代」という黄金期へ突入。互いに妥協を許さないハイレベルな激闘は、平成スポーツ史屈指の名勝負として今なお色褪せません。