佐藤栄作を語る上で欠かせないのが、日本近現代史に類を見ない強力な家系図の存在です。山口県田布施町の旧家・佐藤家に生まれた栄作は三男であり、次兄は後に首相を務めた岸信介(岸家へ養子縁組)、長兄は海軍中将となった佐藤市郎という名門の血筋でした。実の兄弟で総理大臣を務めた例は、日本憲政史上でも岸信介・佐藤栄作の兄弟のみです。
さらに、兄・岸信介の娘婿となったのが外務大臣を務めた安倍晋太郎氏であり、その息子が平成から令和にかけて歴代最長政権を樹立した安倍晋三元首相です。つまり、佐藤栄作は安倍晋三氏にとって「大叔父(祖母の弟)」にあたります。日本の針路を決定づけてきたトップリーダーたちが同一の家系から誕生している事実は、昭和から現代に至る自民党政治の骨格を理解する上で極めて重要なファクターとなっています。