1978年の『吉宗評判記 暴れん坊将軍』開始から数えて全832回(スペシャル等を含む)という驚異的な放送回数を記録した本作ですが、なぜ終了の時を迎えたのでしょうか。背景には、テレビ業界全体の構造変化と複合的な要因が存在します。
最大の要因は、2000年代以降に進んだ地上波テレビ局における時代劇制作枠の縮小です。京都・太秦の撮影所で本格的なオープンセットを組み、熟練の殺陣師や大道具スタッフを動員する時代劇は制作費が高騰しやすく、テレビ各局が若年層向けドラマやバラエティ番組へシフトする中で、木曜20時枠の時代劇放送枠そのものが改編の対象となりました。
加えて、主演の松平健自身が年齢を重ねる中で、激しい立ち回りや馬を駆るアクションを毎週維持することの過酷さ、共演者たちの世代交代なども重なりました。しかし、打ち切りという形ではなく、25年以上にわたる偉大な足跡を称えられながら華々しくレギュラー放送に幕を引いたことが、本作の伝説的ステータスを確固たるものにしています。