毎週金曜日の夜8時、日本中の注目が集まる『ミュージックステーション』。テレビ朝日を代表する看板番組の進行を任された竹内由恵にかかっていた重圧は、想像を絶するものだった。入社1年目という異例の若さで大役に抜擢された彼女を支えたのは、司会のタモリによる独特の間と、包み込むような空気感だったという。
スタジオには秒単位で刻まれるタイムスケジュールと、豪華アーティストたちの熱気が満ち満ちていた。カンペを追いながらゲストの表情を伺い、絶妙なタイミングでタモリへパスを出す。一見すると軽やかな掛け合いの裏には、緻密な計算と研ぎ澄まされた集中力があった。タモリのふとした呟きを拾い上げて笑いに変える柔軟性は、彼女が番組を通じて磨き上げた最大の武器だったと言えるだろう。