墓場で行われたのは、闇の帝王を肉体ごと現世に呼び戻すおぞましい闇の儀式でした。復活に必要な呪術の構成要素は以下の3つです。
1つ目は「知らぬ間に捧げられた父の骨(トム・リドル・シニアの遺骨)」、2つ目は「自ら差し出した下僕の肉(ワームテールが自ら切り落とした右手)」、そして3つ目が「無理やり奪った仇敵の血(ハリーの血)」でした。
あえてハリーの血を求めた理由は、赤ん坊の頃のハリーを守り、かつて触れることすら拒絶された「母リリーの愛の保護魔法」を自らの肉体に取り込み無力化するためでした。肉体を取り戻したヴォルデモートとの決闘において、ハリーの杖とヴォルデモートの杖が同じ不死鳥の尾羽を持つ「兄弟杖」であったことから、過去に放たれた呪文が逆再生される「直前呪文(プライオリ・インカンタートム)」が発動。セドリックや両親の亡霊たちの助けを得て、ハリーは命からがらセドリックの遺体を抱えてホグワーツへ帰還します。
本作は初見では気づきにくい伏線が随所に散りばめられています。ムーディが常に持ち歩いていたスキットル(ポリジュース薬の補給)、舌を素早く出す独特の癖(父クラウチ・シニアが見抜くきっかけ)、スネイプの薬品庫から盗まれたピエロトの鰓昆布や毒ツル草の材料など、結末を知ってから見直すとすべてのピースが鮮やかに噛み合います。