銀幕のスターとして華々しいキャリアを築いた淡路恵子さんがゲームと出会ったのは、50代を迎えた頃のことでした。実生活では2度の離婚や莫大な借金、さらに最愛の息子の不慮の死など、想像を絶する困難と深い悲しみを経験していました。
そんな失意の底にあった淡路さんにゲームを勧めたのが、息子さんでした。ファミリーコンピュータやスーパーファミコンに触れ、やがて出会ったのが国民的RPG『ドラゴンクエスト』シリーズです。一歩一歩経験値を積み重ねれば必ず強くなり、困難な壁を乗り越えられるゲームの世界は、不条理な現実に傷ついていた彼女の心を強く揺さぶりました。
淡路さんにとってゲームは単なる暇つぶしではなく、孤独な夜を乗り越え、明日を生きるための希望の灯火でした。「ゲームをしている間だけは、すべての辛いことを忘れられる」と語っていた通り、没頭することで心の平穏を取り戻していったのです。