この独創的すぎる世界観を生み出したのは、巨匠マックス・フライシャー率いる伝説のフライシャー・スタジオだ。彼らは王道のディズニー作品とは一線を画し、都市的で怪しげ、そしてエネルギッシュなスラップスティック・コメディを次々と世に送り出した。シュールなギャグと躍動感あふれる映像美は、まさに当時のアメリカの熱気をそのままフィルムに焼き付けたかのようだった。
さらに、彼らの作品を唯一無二の芸術へと押し上げたのが、当時最先端だったジャズ・ミュージックとの完全な融合である。実在のジャズミュージシャンを起用し、作中のキャラクターが音楽に合わせてリズミカルに踊り明かす表現は、観客の度肝を抜いた。ビンボーとベティが繰り広げるコミカルなドタバタ劇は、最新の音楽ムーブメントと融合した最高峰のエンターテインメントだったのだ。