前照灯の保守管理において、自動車ユーザーが最も直面するのが「定期車検時の合格基準」です。かつてはロービームで不合格となってもハイビームで再検査して合格できる経過措置が存在していましたが、審査基準の全面移行により、原則としてロービーム(すれ違い用前照灯)での測定が完全義務付けられました。
検査ラインでは、光の明るさを示す「光度(カンデラ)」と、照射の向きを示す「光軸(エルボー点・カットオフラインの位置)」がミリ単位で電子測定されます。すれ違い用前照灯の基準値は、1灯あたり6,400カンデラ以上(走行用前照灯は最高光度合計が430,000カンデラ以下かつ2灯式で1灯あたり15,000カンデラ以上)と規定されています。
さらに発光色についても厳格な規定があり、平成18年(2006年)1月1日以降に製作された車両の前照灯は「白色」で統一されていなければなりません。色温度を表すケルビン(K)数には明確な数値上限の明文化はないものの、実務上は6000K〜6500Kを超えて青みがかった光(7000K以上)になると、テスター受光部が黄色成分や波長を誤認し「青色判定」で即座に車検不合格となる事例が相次いでいます。