日本のスポーツシーンにおいて、圧倒的な認知度を誇る二大愛称といえば、サッカーの「SAMURAI BLUE」と野球の「侍ジャパン」だ。これらは単なる通称にとどまらず、巨大なスポーツビジネスとメディア展開の核として機能している。
公益財団法人日本サッカー協会が正式に「SAMURAI BLUE」の着用を発表したのは2006年ドイツ大会の直前だった。青いユニフォームに身を包んだイレブンがピッチを走る姿は、世界中のフットボールファンに深く焼き付いている。激闘を重ねるなかで、指揮官の森保一監督が率いるチームが魅せる組織力と粘り強さは、まさに武士の凛とした佇まいを連想させる。ピッチ上の緊張感は、画面越しにも熱く伝わってくる。
一方で、プロとアマチュアの壁を取り払い、世代を超えた結束を生み出したのが一般社団法人日本野球機構を中心とする「侍ジャパン」の立ち上げだ。かつては監督の苗字を冠した「長嶋ジャパン」「星野ジャパン」などの呼び名が主流だったが、常設の代表ブランドとして再構築された。いまやNHKのニュース速報から街頭のスポーツ紙見出しに至るまで、この名称が見られない日はない。スポーツジャーナリズムの世界でも、これらの成功例は「代表チームのブランディングにおける理想形」として広く論じられている。