ネット上の言説の中には「『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』がすでに現行機でプレイできるのだから、わざわざリメイクを作る必要はないのではないか」という懐疑的な意見も散見されます。しかし、これはIPビジネスの進化とゲームデザインの世代交代という観点を見落とした誤解と言えます。
『P4G』はゲーム史に残る大傑作ですが、ベースとなっているグラフィックモデルやダンジョン構造はPlayStation 2時代の設計思想に基づいています。『ペルソナ5』からシリーズに入った数百万人の新規プレイヤー層にとって、見下ろし型の固定視点やシンプルなダンジョン探索は参入障壁になりつつあるのが現実です。
『P3R』が証明したように、ゲームの根幹にあるシナリオや人間ドラマの魅力を変えずに、現代のUIと3D演出で再構築することには莫大な価値があります。既存のファンにとっては「思い出の美化」を超えた鮮烈な青春の再体験となり、新規ファンにとっては「名作ミステリーへの最高の入り口」となるため、両者は決して食い合う関係ではありません。