ネット上で度々話題となる「ウイングベイ小樽の現在の様子」を現地で確認すると、全盛期のマイカル小樽時代を知る人ほど、広大な共用通路に漂う静寂に驚きの声を上げます。約34万平方メートルという広大な敷地と約980メートルに及ぶ長大なモール構造ゆえに、平日昼間などは来訪者の密度が低く見え、「衰退している」という印象を与えやすいのは事実です。
過去に発生したウイングベイ小樽の閉店理由を深掘りすると、主に3つの要因が浮かび上がります。
- 商圏人口の急激な減少と高齢化:小樽市の人口は1960年代の約20万人から11万人規模へ減少。巨額の維持管理費を賄うだけの購買力を地元単独で支えることが構造的に困難になった点。
- 札幌都市圏メガモールとの競合:JR函館本線や高速道路の整備により、札幌駅直結施設や発寒・苗穂などの郊外型大型商業施設へ購買層が流出した点。
- 当初コンセプトのオーバースペック:開発当初に掲げた「全道・全国からの広域集客と滞在型リゾート」という構想が、平成不況の波と消費行動のミニマム化に適合しなくなった点。
しかし、単に店舗が減り続けているわけではありません。2026年現在では、従来の物販中心のテナント構成から脱却し、メディカルクリニック、行政窓口、スポーツ施設、高齢者向けデイサービス、教育・文化スペースなど、市民生活に不可欠な生活インフラ型複合施設への再編が進んでいます。