ナックル(Knuckle)という名称から「指の関節を曲げて握る球種」と誤解されがちですが、現代における実戦的なナックルボールの握り方は「指先(爪)を立てるスタイル」が主流です。
人差し指と中指(場合によっては薬指を加えた3本)の爪を、ボールの滑らかな革部分、あるいは縫い目のすぐ内側にしっかりと突き立てます。親指と小指はボールの下部と側面を支え、投球モーション中にボールがブレないよう安定させる役割を担います。
ここで極めて重要になるのがナックルボールの爪の立て方と深さです。爪が長すぎると革に食い込みすぎてリリース時の摩擦抵抗となり、短すぎるとボールを十分に支持できずすっぽ抜けてしまいます。深爪にならないギリギリの長さ(1〜2mm程度)を保ち、指の腹ではなく「爪の先端」で革を軽く凹ませる感覚で圧力をかけるのが理想とされます。
そして、最も技術的な差が出るのがナックルリリースのコツです。通常の投球では手首のスナップを利かせてボールに強いバックスピンをかけますが、無回転ボールの投げ方ではスナップを完全に封印しなければなりません。
リリース直前まで手首を強固に固定(ロック)し、インパクトの瞬間に立てていた爪の指先でボールの重心を前方へ「ツン」と押し出します。手のひらをキャッチャーの胸元へ真っ直ぐ突き出すイメージを持ち、人差し指と中指の押し出し圧力を均等にすることが、回転軸の発生を防ぐ最大の鍵です。