復刻モデルは、特定の年代のオリジナル501XX(1937年モデル、1944年大戦モデル、1947年モデル、1955年モデルなど)をピンポイントでサンプリングして作られています。そのため、細部パーツの作り込みを精査することで、再現度の高さや製造意図を読み解くことができます。
バックポケット右側に配置される赤タブビッグE見分け方においては、文字の刺繍形状に注目してください。復刻の最初期(1990年代日本企画など)では、「LEVI'S」の「V」の字の左右の太さが均等な「均等V」が多く採用されていました。しかし実在したオリジナル501XXの多くは、右側が細く左側が太い「不均等V」です。後年のバレンシア製や本格的なLVCシリーズではレーヨン100%素材による不均等Vが再現され、洗濯による丸まり感まで緻密に追究されています。赤タブの裏側にレジスターマーク(®)が単独で入っているか、両面に刺繍があるかも年代を測る物差しになります。
バックポケット上部の補強具である隠しリベット年代特徴も重要な鑑識ポイントです。第二次世界大戦頃から1966年にかけて採用された隠しリベットですが、復刻品のリベットには「L.S.&C.O. -S.F.-」という文字が鮮明に打刻されたピカピカの銅メッキパーツが使われる傾向があります。一方、オリジナルXXのリベットは長年の湿気と酸化で緑青(ろくしょう)が吹き、リベット頭部が平ら(フラット形状)または鉄製特有の黒ずんだ質感を湛えています。
ウエストバンド右後方に縫われる紙パッチ革パッチ判別においては、素材の物理的変化を見逃してはなりません。1954年以前のオリジナルXXに見られる革パッチは、乾燥や熱によって極端に硬化・縮小し、割れや欠損が生じているものが大半です。復刻品の革パッチはしなやかな鹿革などで作られており、硬化せず綺麗な質感を保っています。また、1955年以降の仕様である紙パッチについては、「Every Garment Guaranteed」の印字バランスや、復刻特有の分厚い紙質と人工的なエイジング加工の違和感に注意を払う必要があります。
裾を折り返した際に見えるセルビッジ赤耳仕様も外せない要素です。旧式織機で織られた証である赤耳は、オリジナルでは経糸とともに色褪せて薄いピンク色へとフェードしますが、安価な復刻や模倣品では化学繊維混じりの鮮やかな赤いステッチラインが浮き上がっているケースが散見されます。