風が木々を揺らす穏やかな秋の午後だった。子どもの歓声が響いていたキャンプ場が一瞬にして静まり返る。少女が他の子どもたちの後を追って広場を離れたのは、ほんの数分間の出来事だったという。そのわずかな隙に、姿が文字通り消え去った。
道志村キャンプ場行方不明事件が勃発した直後、地元住民やボランティア、関係機関が一体となった大規模な捜索が展開された。しかし、鬱蒼とした山林と急峻な沢筋は探索を拒むかのように阻み、目撃証言も限定的だった。なぜ、目と鼻の先で小さな足跡がプツリと途絶えてしまったのか。現場付近の地理的構造と、当時の行動パターンを詳細に突き合わせる作業が今も続けられている。