半世紀以上にわたり日曜夕方の茶の間を彩ってきた長寿番組『笑点』もまた、高齢者のユーモア体験を語る上で欠かせない存在だ。故・桂歌丸をはじめとする大喜利メンバーが見せた、様式美と愛のある罵倒合戦は、世代を超えて親しまれてきた。
現在ではテレビのNHK総合による演芸番組だけでなく、オンデマンド配信サービスのNetflixなどでも落語や伝統芸能のアーカイブ動画が手軽に視聴できるようになり、高齢者のエンタメ消費スタイルは多様化している。だが、そこにある本質的な嗜好は変わらない。お約束の展開から生まれる「期待通りのオチ」と、長年のキャラクター同士の掛け合いから醸し出される人間味こそが、シニアの腹筋をよじる最大の要素なのだ。