高校野球ファンを常に熱狂させるのが、奈良の智弁学園とのいわゆる「智弁対決」だ。同じ朱色のユニフォーム、同じ校歌、同じ応援曲。しかし、グラウンドで見せる野球のカラーは微妙に異なる。泥臭く一泥をすするような堅実さとパワーを併せ持つ智弁学園に対し、智弁和歌山はどこか華やかさと一発回答の爆発力を秘めている。
近畿大会や甲子園の舞台で幾度となく相まみえてきたライバルの存在は、智弁和歌山の選手たちにとって最高の刺激であり、爪を研ぎ続ける理由でもある。「奈良には絶対負けたくない」「智弁の本家は和歌山だ」。一球一球に込められた意地とプライド。お互いを知り尽くしているからこそ生まれる緊張感は、チームの勝負勘を極限まで研ぎ澄ませる。甲子園という大舞台に立った時、彼らが物怖じせず普段通りのパフォーマンスを発揮できる背景には、この日常的な高いレベルでの切磋琢磨がある。