当時の興行において、最も過酷な評価を受けた作品の一つがジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』だ。極寒の南極基地という閉鎖空間で繰り広げられる人間不信と、恐怖のクリーチャー造形。公開当時はそのあまりの陰惨さとグロテスクさから批評家や観客に敬遠され、興行的には大惨敗を喫した。
しかし、劇場公開が終わっても作品の命は絶えなかった。ビデオテープの普及や深夜のテレビ放映を通じて、じわじわと熱狂的なファン層を獲得していく。現在ではSFホラーの最高峰、あるいはカルト映画の不滅の金字塔として称賛されており、評価の歴史的逆転劇として語り継がれている。