長年にわたり日本のテレビ文化を支えてきた測定手法に、限界が訪れている。ビデオリサーチが提供する従来の世帯視聴率は、家族全員が居間のテレビに集まっていた昭和・平成の生活様式を前提としていた。しかし、個人のスマートフォン所有率が極限に達した現在、その数字が持つ意味は激変した。
ここで台頭したのが「タイムシフト視聴率」だ。録画機器による7日以内の再生を測定するこの指標は、深夜帯や多忙な働く世代のリアルな視聴行動を可視化した。地上波のリアルタイム放送時に数字が伸びずとも、録画再生を含めた「総合視聴率」ではトップに躍り出る現象が日常化している。テレビ放送業界は今、単なる放送事業者から「ハイブリッド型のマルチプラットフォーム事業者」への変貌を強烈に迫られている。