甲状腺全摘出で「後悔」の嵐?一生涯の服薬と身体変化のリアル

甲状腺全摘出で「後悔」の嵐?一生涯の服薬と身体変化のリアル

甲状腺全摘出で「後悔」の嵐?一生涯の服薬と身体変化のリアルについて専門的な視点から解説いたします。最新の情報をお届けします。

摘出後の生活を支える主役が、チラージンS(甲状腺ホルモン製剤)だ。しかし、この一錠で術前と全く同じ身体に戻れるわけではない。

ホルモン値(TSHやFT4)の調整は非常に繊細だ。わずか数マイクログラムの増減で、過剰投与になれば動悸や指の震え、不眠に苦しみ、不足すれば激しい倦怠感と鬱(うつ)のような思考停止状態に陥る。PubMedに掲載された論文によれば、全摘術後の患者のうち一定割合が、血液検査上の数値が正常域に収まっていても、微細な体調不良や慢性的な疲労感を訴え続けるという。

季節の変わり目や加齢、ストレスによっても必要量は変動する。一生涯、血液検査の結果に一喜一憂し、微調整を繰り返す日々。薬を飲み忘れたらどうしようという潜在的な恐怖が、患者の精神を削っていく。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。