インターネット上の情報や口コミの中には、手続きの根本的な誤解に基づいた危険な言説が散見されます。金銭的な損害を避けるために、必ず押さえておくべき代表的な盲点が2点あります。
1. 「更新(切替申請)」だからといって安くはならない事実
運転免許証の更新費用が初回交付時よりも安価に設定されていることから、「パスポートも更新なら新規より格安になるはず」と思い込んでいる人が少なくありません。しかし、パスポート残存有効期間更新費用は新規取得と完全に同額です。
パスポートにおける切替申請とは、残存有効期間が1年未満となった場合や査証欄の余白がなくなった際、古い旅券を返納して新しい旅券をゼロから作り直す手続きを指します。技術的・法制的には新規発行と何ら変わらないため、国と自治体に納める手数料の減額は一切ありません。更新で免除されるのは原則として「戸籍謄本の提出(氏名や本籍地に変更がない場合)」のみであり、本体費用は満額請求される点に留意してください。
2. 紛失時のコストは実質的に「倍増」する
もう一つの深刻な誤解がパスポート紛失再発行値段に関するものです。旅行中や自宅で旅券を紛失した場合、「紛失手数料を払えば元のパスポートを再印刷してもらえる」と誤認している人が存在します。
実際には、紛失した旅券の悪用を防ぐためにまず「紛失届」を受理させて失効処理を行い、その上で完全に新しい旅券を新規申請しなければなりません。つまり、新規取得と同じ約9,000円(旧基準時は1万6,000円)の手数料が全額発生します。さらに、警察署での遺失届出証明書の取得や、住民票・戸籍謄本の再取得費用、写真代がすべて上乗せされるため、時間的損失も含めたパスポート申請必要書類費用の総合計は計り知れない負担となります。