足の疲労感を和らげるはずの着圧ソックスが、なぜ「履かない方がいい」と言われる事態を招くのでしょうか。最大の理由は、着圧ソックスが持つ段階的圧力設計の破綻にあります。
本来、着圧ソックスや医療用弾性ストッキングは、足首の圧力を最大(100%)とし、ふくらはぎ、太ももへと上がるにつれて圧力が弱くなるよう設計されています。この圧力勾配によって、重力に逆らって静脈血やリンパ液を心臓へ押し戻す「筋ポンプ作用」をサポートする仕組みです。
ところが、サイズが合わず足首や膝裏に生地のシワや折り返しができると、その部分だけ局所的に極端な締め付け(緊縛帯現象)が生じます。ホースの途中を踏みつけるのと同じ状態になり、静脈の血流がせき止められ、かえって末梢が鬱血して着圧ソックスによるむくみ悪化の原因となってしまいます。
さらに、強い圧力を求めすぎるあまり「きつめのサイズ」を選んでしまう心理もトラブルに拍車をかけています。過剰な圧迫は毛細血管を押し潰し、皮膚組織への酸素供給を阻害して冷えや痺れ、強いだるさを誘発します。